厚生省では、全国の児童相談所に対し、児童虐待の取り組みの実態について報告を求めていたが、主な結果は下記のとおりである。

1.報告聴取の概要
 
(1)報告聴取の趣旨

  児童虐待が急増しつつあり、その早期発見・早期対応が喫緊の課題となっている。とりわけ、児童虐待の対応において中核的な役割を担う児童相談所における適切な対応が重要であり、厚生省としても通知の発出や「児童相談所運営指針」の改定等を通じて指導を強化しているところである。
  本報告聴取は、児童相談所の児童虐待への取り組みの現状や問題点を詳細に把握、分析することにより、今後の効果的な施策のあり方を検討するための基礎的な資料とするために行ったものである。

(2)報告聴取の対象となる事例
 
 原則として平成9年度厚生省報告例に「虐待」として計上した事例

(3)報告聴取の方法
 
  全国174カ所の児童相談所あて、取り組みの実態や取扱った事例の対応方法等についてアンケート用紙により報告を求めた。

2.報告聴取結果の槻要

3.「子ども対応の手引き」の作成

 厚生省としては、本報告結果等も踏まえ、児童相談所等における対応のあり方について「子ども虐待対応の手引き」により具体的に示すこととした。

 

1.相談・通告の受付・処理件数(平成9年度)
 
  件 数
受理件数   5,570 ---
処理件数  施 設 入 所 措 置 1,166 21.8

 

 児童養護施設 925 17.3
 乳児院 160 3.0
 児童自立支援施設 21 0.4
 情緒障害児短期治療施設 28 0.5
 その他の施設 32 0.6
 里 親 等 委 託 32 0.6
 面 接 指 導 3,622 67.7

 

 助言指導 1,854 34.7
 継続指導 1,382 25.8
 他施設あっせん 114 2.1
 児童福祉司指導 272 5.1
 そ の 他 532 9.9
 合   計 5,352 100.0

 

2.通告・相談受理時の対応
  通告・相談のあった日に、受理会議を開催するか、管理職に報告・相談をさせているか。
 
  箇所数
 臨時に受理会議を開催している 62 35.6
 即日管理職に報告・相談させている 64 36.8
 ケースにより受理会議、ケースにより管理職 17 9.8
 そ の 他 20 11.5
 無 回 答 11 6.3
合         計 174 100.0

 

3.立入調査件数(平成9年度実施分)
 
16件 (8カ所)

 

4.一時保護・一時保護委託件数(平成9年度受付分)
 
  件  数
 被虐待児童一時保護件数 1,386 ---
 被虐待児童一時保護委託件数 261 100.0
   児童養護施設 176 67.5
 乳児院 37 14.2
 児童自立支援施設 5 1.9
 情緒障害児治療施設 0 0.0
 障害児関係施設 2 0.8
 その他の施設 4 1.5
 警察署 9 3.4
 その他 23 8.8
 不明 5 1.9
合       計 1,647 ---

                 
(一時保護 84.2%、一時保護委託 15.8%)

5.28条、33条の6及び保全処分の申立件数(平成9年度申立分)
 
28条申立 33条申立 保全処分申立
申立件数 61件 100.0 申立件数 2件 100.0 申立件数 12件 100.0
  容認 37件 60.7   容認 1件 50.0   容認 6件 50.0
却下 1件 1.5 却下 1件 50.0 却下 0件 0.0
係属中 7件 11.5 係属中 0件 0.0 係属中 0件 0.0
取下げ 16件 26.2 取下げ 0件 0.0 取下げ 6件 50.0
 *28条申立:親権者の意に反して措置を行う場合の家庭裁判所による措置の承認を求める申立
 *33条申立:親権喪失宣告請求
 *保全処分申立:親権喪失宣告が請求されるまでの間の親権者の職務執行停止及び
         職務代行者選任の申立

 
6.施設入所後の対応
(1)強引な引取要求等、平成9年度において保護者への対応に苦慮した件数
                           (受付年度不問)
 
87カ所 237件

(2)(1)の内訳
 
あ    り 87カ所 50.0%
  1  件 39
2〜4件 32
5件以上 16
な    し 83カ所 47.7%
無 回 答 4カ所 2.3%
合   計 174カ所 100.0%

 
(3)施設との連携
 
 (1)施設在籍児童数 (平成10年11月1日現在)
施 設 在 籍 児 童 数 67,609人
内被虐待児童数 * 4,399人
比    率 6.5%
  *「虐待」を主たる理由として施設入所した児童数
 
 (2)定期的な情報交換(平成9年度)
   1. 施設からの定期的な報告徴収の有無
  箇 所 数
 報告徴収している 138カ所 79.4%
 報告徴収していない 22カ所 12.6%
 無 回 答 14カ所 8.0%
合    計 174カ所 100.0%

 
   2. 報告徴収の頻度(平成9年度)
  箇 所 数
 年1回 88カ所 63.8%
 年2回 16カ所 11.6%
 年3〜5回 11カ所 7.9%
 年6〜11回 0カ所 0.0%
 年12回〜 10カ所 7.2%
 無 回 答 13カ所 9.5%
合   計 138カ所 100.0%

   3. 施設への定期的な訪問調査の有無(平成9年度)
  箇 所 数
 定期的訪問を実施している 130カ所 74.7%
 定期的訪問を実施していない 30カ所 17.2%
 無 回 答 14カ所 8.1%
合   計 174カ所 100.0%

   4. 訪問調査の頻度(平成9年度)
  箇 所 数
 年1回 89カ所 68.5%
 年2回 19カ所 14.6%
 年3〜5回 5カ所 3.9%
 年6〜11回 2カ所 1.5%
 年12回 〜 5カ所 3.8%
 無 回 答 10カ所 7.7%
合   計 130カ所 100.0%

 (3)必要に応じた連携(平成9年度)(複数回答)
  児童数 内被虐待児
事例検討会議において検討された児童数 11,174 16.5 1,376 31.3
児相が技術的支援を行った児童数 15,134 22.4 2,003 45.6
児相の精神科医、心理職員が指導・治療 4,247 6.3 834 19.0
その他の形態で連携を図った児童数 7,973 11.8 664 15.1
不 明 22 0.03 --- ---